なんかこう、喧嘩の後で雨に打たれながら背中合わせにたそがれて欲しい妄想。
「なんで、今日に限って助けるんだよ…」
「さてな。単なる気まぐれだ。今日に限って、って助けて欲しくなかったのか?」
そう言われるとなんだか礼を言うのも馬鹿らしくなり、何も言わずに雨が降ってくる空を見上げてみた。結構長い時間そうしていたはずだが、後ろにはまだ人の気配があった。いつもはいつのまにかいなくなっているのが常なのに、珍しいこともあるもんだと他人事のように考える。
「……なんでこんな事になっちゃったんだろ…姉さんの言う事聞いて真面目に勉強してたら、姉さんが言うような『できる人間』だったなら…こんな事にはならなかったのかな?」
返事など期待せずに、雨音で消えるように呟いた言葉。
だから、その言葉に返事が帰ってきたことに、まず驚いた。
「勉強なんか、できたって別にいい事ねえよ…」
続いて吐き出された言葉は雨音に邪魔されて、明久には聞こえない。
足元で気絶している不良の手元から銀色の輝きが零れた事も、気づけなかった。
「…なんで皆、点数で人間を判断しようとするんだ。
いつか俺が……人間はテストの点数なんかじゃないって証明してやる…」
中学時代の二人は、お互い名前も知らない状態なので、普段はとても言えない弱音とか吐いちゃってれば良いと思うんです。
雄二が明久の喧嘩に手出しした原因は、喧嘩の相手がナイフか何か隠し持ってて、割合本気でヤバそうな手合いだったから。基本的に自分の買った喧嘩は自分で背負え精神の中学雄二ですが、それでもちょくちょく明久の前に姿を見せるのは基本的にほっとけないからです。ほっとけないからです。大事なことなので2回ry
良くも悪くも自分が正しいと思ったことに対してガムシャラで周りを省みない明久のあり方は雄二から見たら危なっかしくてしょうがないのと同時に、かつて守れなかった一人の少女との出来事を連想させてしまって、どうもほっとけないんじゃないかなあ…とか妄想。
やまさんがちゃんと肉付けしてSSにしてくれたよ!(ゴロゴロ)
余談ですが吉井家の家庭の事情を書いた直後に姉さんがハーバード大卒なことを思い出した。
……多分、日本の大学から留学して飛び級なんです。大学過程を飛び級で1年で終わらせればいいとおもいます。海外の大学卒だなんて、盲点過ぎた!!普通に高校からちょくで行ったと仮定すると、中学時代は姉さん半年も明久と生活してないって計算に!!