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悪友でお姫様だっこ

3/22の「バカ」シチュったー:
『2RTされたら、「親友に」「お姫さまだっこされて」「涙目になりながら」、「バカ」と言う明久を書(描)きます』

やまさんが引いた→軽やかにRTした→やまさんが小噺書く→描き掛けのお姫様抱っこ絵を思い出す→私便乗の流れ。
そしてやまさんの書かれてる小噺を載せていいよーとのことだったのでひっぱらせてもらいました。
悪友姫だっこ美味しいよ美味しいよ美味しいよ(大事なことなので3回









怪我人の運び方

 あのバカがと口の中で舌打ちをする。同時にそちらに向かって一直線。気付いているのだろうが、それを無視して暴れまわる姿は勇ましいというよりはただのバカだ。顔をしかめているのは劣勢と痛みからだろう。
 雄二と明久の間を分断するF組メンバーを容赦なく殴り蹴りとばす。こんなことでへこたれるメンバーではないし、わりかし何時ものことだ。数時間後にはけろりとしているだろう。くわえて容赦などしたらこちらが生き残れない。ゾンビのように生命力が強くしぶといやつらなのだから。
「明久!」
「雄二そっちは、へ?」
 終わったのか、と訊こうとしていたのだろう明久を無視して明久の腕を持ち上げ自分の身体を通し、膝裏にも腕を通して一気に持ち上げた。
 あまりに突然のことにF組の連中も明久も動きを止める。
 その合間を縫って教室を抜け出した。
「ちょ、え……? なにこれ」
「足怪我してまで続けてんじゃねえよバカ」
 いつもの距離よりも近い場所にある顔を見下ろしながら言えば、明久はぐ、と一度詰まったあとに噛み付くように口を開いた。
「なんともないって! ていうかなんなのこれ下ろせバカ雄二!」
「痛いんだろ、涙出てるぞ」
「え、嘘」
「嘘だけど」
 わざと、廊下の壁に明久の足を軽くぶつけてやれば短く悲鳴を上げて明久の身体に力がこもる。顔をみればさきほどまではなかった涙が今度はほんとうに浮かんでいた。
 見下ろし、笑う。
「痛いんだろ?」
「こ、この……バカ……ッ!」
 涙目になって言われたところで、もともと怖くなどないのだから迫力はさらになくなっている。むしろ嗜虐心を煽られるだけだ。
「こんなの見られたらさらにへんな噂が流れるだろ」
「怪我人運んでるだけだろ」
「もっと別の運び方あるんじゃないの……」
「あーそれもそうかもなー」
「おーろーせー!」
 腕の中であばれ、雄二から距離をとろうと腕を突っぱねる明久。重心がおかしくなり本当に落としそうになり、あわてて歩くのをやめて体重を後ろにかけた。
「おま、落ちるだろ!」
「降りたいんだよ僕は!」
「大人しくしてろバカが!」
「バカとはなんだバカとはー!」
 耳元で叫ばれることほど鬱陶しいことはない。互いにそう思っているだろうが。
 さすがにイラッとして顔を近づけ囁く。
「大人しくしてないとここでベロチューぶちかますぞ」
「ゴメンナサイ」
 速攻返ってくる返事と、大人しくなった明久に満足して保健室目指して歩き出した。






bakatesu35.jpg


やまさんちの挿絵の挿入位置がとても素敵なのでみんな一度見に行くと良いです
わたしは文章の途中に自分のアレな絵が出てくるのがはずかしいので普通に文末に入れた…!(*ノノ)


Update : 2011/03/22 / Tag : [吉井明久][坂本雄二]