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【腐向け/明雄】目は口ほどに物を言う2


昨日の続きで明雄。
雄明事後に雄二が照れ隠しで言った何の気もない発言が明久の地雷を踏み抜けばいいよねという何かでした。
リバおいしいよ、リバ。
明久が何を言われたかはご自由にご想像ください。


それにしても雄二受が絵にできません!むずかしいです!
ちょっと修行して出直してくるので字だけで勘弁してください!


続き








 気がつけば、状況は逆転していた。

 普段なら感情と一緒にころころ変わる瞳が、今はただ一点に固定されている。この1年間、コイツの家族より近くに居た俺ですら何度かしかお目にかかったことがない硬い表情と、何かを押さえ込んだ冷たい声。一度目は清涼祭の決勝戦で、二度目は学園長が企画したお化け屋敷の最深部で。この状態の明久を『スイッチが入った』と表現したのは俺自身だ。

 出会ったばかりの頃に島田のことで誤解されて殴りかかられた時だって、その言葉には熱と、激しい怒りがあった。この冷たい目が自分に向けられる事なんてあるわけがないと、当たり前のように思っていた事に今更気づかされる。それなのに射るような強い目線は紛れもなく俺自身に向けられていて、逃げる事を許してくれない。伸びてくる手が振り払えない。理由もなく小さく肩が震えた。


「僕は雄二と違って手加減なんかできないから――大人しくしててね」




 他人の為でなければ本気で怒ることができないお人よしな俺の悪友が、本当に珍しく自分の事で怒っていたのだと判明するのは、全てが終った後の事。

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