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風邪引き

 
長らくバカテスを読めバカテスを読めバカテスを読めと騒いでいたら、最近漸く3巻に到達したらしいひのとさんが雄二にハマってくれた!!そして悪友SSを書いてくれた!!!
なお、萌えカプは明久雄二よりのリバ萌えだといってました。
おお珍しくカップリングがかぶった……。(いつも大体本命は被らない)

携帯メールでささっと書いて貰ったものだったのですが個人的にドツボに入ったので頼み込んで掲載させてもらいました。

皆も読んで萌えるといいよ!!やばい、おれ、もえしぬ
※なお、久保君の好意を明久が知ってる設定になってます。

続き

「馬鹿は風邪を引かないという……だからこれはただの熱だな」
「……きっぱり言わないでよ……ごほ」
「まぁ熱だけでも病気にはかわらん。寝とけ」
「わぷ!ちょ、いきなり布団被せないでよ!」

雄二に無理矢理頭まで被せられた布団からなんとか頭を出した。
回りを見渡すと心配そうな雄二が
「テメェに寝込まれると……」
こ、これはフラグだ!しかも僕相手に言ってはいけない台詞を
「明日の鉄人の補習の犠牲が俺に来る……」
よし、病気を悪化させねば。

と、いうことで、僕はただいま布団に寝かされています。
これで枕元にナース姿の秀吉とか姫路さんとかが居てくれたらこんな風邪(と僕は信じてる)なんてすぐに治って元気になるのに……
「……ん?なんだ明久」
なんで貴様がいるんだ雄二、この元凶めが!
しかも参考書を広げて、まるで勉強してるみたいじゃないか!
僕の看病してるんじゃないの?!ますます熱が出るよ!(あくまで風邪と言い張る!)

「いや、そもそも僕が寝てる原因は雄二でしょ?」
「……そうだったか?」
あ、こいつ……
「ここに取り出したるは霧島さんに繋がる携帯電」
「俺が悪かった。責任をもって看病しよう」
は、早い。携帯電話を奪われた……まあ持っていても飛ぶのは電波よりお金だから構わないけど……
ともかく原因の雄二は参考書を脇に置き僕の額に手を当てゆっくり探るように撫でる。
「……一撃で……」
「看病って違うよね?!楽にさせる意味が違うよね?!」
額の手が首に移動するまえに払い落とす。
ふー危ない。熱が平熱以下に下がるとこだったよ。
「あー……」
なんか少し熱があがったみたいだ。
「……ほれ、騒ぐからだよ」
なに馬鹿みたいな顔で僕を見るの!
「騒がせてるのは雄二っ……!げほげほ……っ」
「あ~!いいから寝とけ!ついでに横のパジャマにも着替えろ!ついでに水も飲め!」
雄二は一気にそう伝えると部屋から出ていってしまう。
たしかに真横には綺麗に畳まれたパジャマが一揃えある。
熱で汗をだいぶかいたようで、たしかに着替えは有り難い。もそもそ着替えると、ちょうど傍の机の上にはコップに入った水が。
これはなにかの罠か!僕の主食をこんなところに!
そっか、もう夕ご飯の時間……確かに朝からなにも口にしてないからなー。あ、口にしないのは慣れてるけど。
その時バタンと音がして部屋の扉があいた。そこにはなにか湯気のたったものを手にした雄二が立っている。
「なーんだ、雄二もご飯か」
「なんだとはなんだ」
「僕のご飯も置いてあるからさー」
そういってコップを手にとりベッドに座る。
「あーでも塩も欲しかっ……って熱ぅっ!?」
いきなり雄二にお粥を突き付けられた。
むしろ被せられ……
「ななななにするの!熱い身体だから熱くないとは限らな」
「食え」
「僕に!何を!」
「それだそれ!」
「被せられたご飯を食べるほど僕は」
「……あ?!(睨み)」
「落ちぶれてます!いただきます!」
ぺろっと舐めると軽い塩味でさらに食べやすく鮭のそぼろが加えられている。適度な柔らかさがますます食欲をそそる。
「……美味しい」
うん、本当に美味しい。
「そりゃ良かった。ほらよ」
少し照れたように横を向く雄二は、僕の膝の上にお粥を置く。
レンゲをどんぶりにひっかけ、ベッドに背を向けて雄二は座ってしまう。
あーでも雄二さん?
耳が真っ赤なの、見えてますよ~。
突然軽く笑い出してお粥を食べれば雄二が横目で睨んでくる。
「……なんだよ……」
「いーえー。お粥が美味しくてなんでもありませんよー」
「……くっ……」
しかし、コイツ、この外見でこの料理の腕前とは……常々惜しい。
是非姫路さんと中身が入れ代わってほしい。そうしたら、姫路さんの可愛い外見で素晴らしい料理の腕前が……
「……ぶはっ!」
い、いかんいかん、想像だけでいま鼻血が。これではムッツリーニと変わらない。
しかし、エプロン姿の姫路さんがこんな料理の腕前になって、あ、明久くん、お粥たべさせてあげますね。あ、あついからフーフーしてあげます。……フー……あ、はい、あーん……
「おい、明久、鼻血だしながらお粥食うのはよせ」
「はははは、美味しいよ、可愛い僕の奥さん☆」
「いますぐ死ね」
「あばばばばばばば」
しまった、いま妄想と現実が混ざったようだ!
雄二がお粥の海で僕を溺れさせなきゃ戻ってこれなかったかもしれない。
「……た、助かったよ雄二……」
「俺はテメェの一言で地獄に落ちたよ馬鹿」
??雄二は何を怒っているんだろ?(←台詞が記憶にない)

食べ終わったどんぶりを横へ置き、雄二が水とともに聞いてきた。
「さて、明久。選択だ」
差し出した手には薬が二つ。
「……薬?」
「片方は熱をどこまでも下げる薬」
「……ふむふむ」
「片方は熱をどこまでも上げる薬」
「それって明らかに二つとも危険だよね?!」
究極の選択すぎる!
よしここは飲まないという選択を。
「雄二、残念だけど僕は」
「飲まないと寝姿を撮った写真を久保に送ろう」
「ならば右を飲もう」
命の危機と貞操の危機なら、迷わず命を捨てよう。なにかおかしい気がするけど。
「よし両方だな」
「右だよ右って言った!」
「両方飲まないと……」
「よしきた、どんとこい」
さよなら命。貞操は守りきったよ……!
渡される薬を一息に水で流し込む。
「うわ……にが……」
あまりの味にくらくらと頭が回る。
「よし飲んだな……じゃああとは寝ろ」
枕に頭を押し付けられ肩まで布団を被せられる。
ああ、なんだか意識が遠くなってきた……
「……悪かったな」
なんか不吉な雄二の声が聞こえる……ああ、さよなら僕の人生……




「無事に完治したようで良かったのう」
「本当です~」
「……(コクコク)」
「で、結局原因はなんだったのよアキ」
翌日、すっかり完治した僕をいつものF組メンバーが取り囲む。
原因か……
「原因はそこにいるじゃん」
「って坂本?なに、何したのアンタたち……」
美波が首を傾げる。
「一昨日の晩、寒かったでしょ?」
「あ、はい、昨日はいつもより冷え込みましたね」
思い出すように口元に指を当て考える姫路さん。仕草一つ一つが可愛いな。
「んで雄二が毎晩僕の布団を奪って寒くてさあ~」
「「「…………」」」
あれ、なんでみんなそんな目で僕を見るの!
「明久……お主ら……まさか……」
「……寝て……二人……(ジト)」
あれ!なにかおかしい事いったかな!
「ひっ、秀吉!ムッツリーニ!誤解だよ!」
慌てて立ち上がる。
「アキ……やっぱりあんた、坂本と……」
「ややややっぱりって何!何なの美波!」
「よ、吉井くん!今からでも女の子にも目覚めて下さい!ま、まだ間に合うと思いますからっ」
「え?なに?にも、ってなに!男には目覚めてないから!」
なんだこの誤解は!すでに僕一人では手に追えない浸透具合だ!
「……てて、翔子のやつー……」
そこへちょうど雄二がやってきた。よし、唯一僕の疑惑を晴らせる人物だ!
「雄二!」
さあ、僕らはまったくやましい関係のない友人同士だと説明するがいい!
「あー……明久のベッドで寝るとなんか身体がいてえんだよな……」
「「「「…………」」」」
殺す!まず雄二を!
「アキ……やっぱり……」
「吉井君……」
「大丈夫……それはそれで……」
「明久……ワシらはいつまでも友達じゃからな……」
「その哀れみの目をやめてー!!」
「……?」
泣き叫ぶ僕の横に判らないと言った顔をした雄二が立っている。
コイツ……普段はあんなに鋭いのに、なんで必要なときに鈍いんだ!
「……?」
「とりあえず、一発殴らせろ」
「俺がお前をか」
「逆だああああ!!」

今日もF組は元気です!



以下、解説。

3巻の「寝相が悪くて明久の布団に潜り込んでくる雄二」の話から発展して「雄二が寝相悪すぎて毎回明久の布団に潜り込んできたら萌えね?」という萌え語りから、

「そのうち明久も慣れちゃって目が覚めて目の前に雄二の顔がドアップとかになっても、大惨事だけ避けるように調節して寝直す」「そのうちどうせ僕の布団に潜り込んでくるんだから、雄二の布団は用意しなくていいよねとか出不精発動する」「雄二は男と同じベッドで寝るなんて…と嫌がるけど明久が毎回来客用の布団を出してくれないのでどうでもよくなってくる」
     ↓
泊まりに来る度に一緒の布団で寝てる悪友

というとんでもない構図が我らの中で完成し、そのメールを前提にした内容のSSだったのでした。あ、明らかに対私しか想定してないメールの掲載許可ありがとうひのとさん大好き…!!(告るな)