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【中学妄想】家庭の事情編

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「アキくん、おかえりなさい。ずいぶん遅かったですね。
貴方は遊ぶ暇があったら、他にやるべきことがあるのではないですか?このテストの点数はなんです?」
姉さんの手にあるのは、見せていないはずの小テストの答案だった。
「……姉さん、その答案、どうして」
「アキくんがちっとも試験の答案を見せてくれないから、部屋に入って探させてもらいました」
「……あ、そう」
「いいですか?アキくんはお父さんとお母さんの子で、姉さんの弟です。努力さえすれば、出来ないはずはないんですよ?こんな点数ばかり取って、恥ずかしいと思わないんですか」
姉さんの小言を適当に受け流す。勝手に部屋に入らないで欲しいとか言いたいことはたくさんあったけど、どうせ聞き入れては貰えない。この家において、正しいのはいつだって僕じゃなくて姉さんなんだから。
(次からは、家に持って帰る前にどっかに答案捨ててこないとなぁ……)

吉井家は父母姉全員「デキる」だろうご家庭なので、多分「出来ない子」の気持ちに無頓着な家庭なんだろうなあ…という妄想。中学時代の吉井姉弟の確執は激しそう。お前には期待してないと言いたげな両親と、弟溺愛の余り弟に辛く当たる姉の歪んだ愛情の間で鬱屈する末っ子。

「成績が悪いのは全部アキくんの努力が足りないから」「アキくんはどうしようもない不細工で、貴方を好きになってくれる女の子なんて居る訳が無い」って言われ続けたら……もうこれ、一種の洗脳行為だとおもうんですよね。

今の明久の鈍感具合って、天然も半分含まれているんでしょうけど姉の長年の洗脳により培われた「好意不信」とも言える状態なんじゃないかなあ。「僕を好きになる女の子がいる訳ない」という姉からの教育が水面下で効力を発揮しているというか。



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「なんで、今日に限って助けるんだよ…」
「さてな。単なる気まぐれだ。今日に限って、って助けて欲しくなかったのか?」
そう言われるとなんだか礼を言うのも馬鹿らしくなり、何も言わずに雨が降ってくる空を見上げてみた。結構長い時間そうしていたはずだが、後ろにはまだ人の気配があった。いつもはいつのまにかいなくなっているのが常なのに、珍しいこともあるもんだと他人事のように考える。

「……なんでこんな事になっちゃったんだろ…姉さんの言う事聞いて真面目に勉強してたら、姉さんが言うような『できる人間』だったなら…こんな事にはならなかったのかな?」
返事など期待せずに、雨音で消えるように呟いた言葉。
だから、その言葉に返事が帰ってきたことに、まず驚いた。

「勉強なんか、できたって別にいい事ねえよ…」

続いて吐き出された言葉は雨音に邪魔されて、明久には聞こえない。
足元で気絶している不良の手元から銀色の輝きが零れた事も、気づけなかった。

「…なんで皆、点数で人間を判断しようとするんだ。
 いつか俺が……人間はテストの点数なんかじゃないって証明してやる…」

喧嘩の後で雨に打たれながら背中合わせにたそがれて欲しい妄想。

中学時代の二人は、お互い名前も知らない状態なので、普段はとても言えない弱音とか吐いちゃってれば良いと思うんです。

基本的に自分の買った喧嘩は自分で背負え精神の中学雄二ですが、それでもちょくちょく明久の前に姿を見せるのは基本的にほっとけないからです。ほっとけないからです。大事なことなので2回ry

良くも悪くも自分が正しいと思ったことに対してガムシャラで周りを省みない明久のあり方は雄二から見たら危なっかしくてしょうがないのと同時に、かつて守れなかった一人の少女との出来事を連想させてしまって、どうもほっとけないんじゃないかなあ…とか妄想。

やまさんがちゃんと肉付けしてSSにしてくれたよ!(ゴロゴロ)


Update : 2010/10/12 / Tag : [中学妄想]